太陽とエネルギー

太陽とエネルギー

太陽とは?

太陽は恒星のひとつで、その周囲に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という惑星を周回させる太陽系の中心である。以前は冥王星も惑星に含まれたが、軌道が楕円形で正規のルートを通らぬこと、太陽からあまりに距離が離れすぎている(太陽の重力の具合によってはフレームアウトして太陽系から飛び出してしまう可能性があるとも言われている)ことなどを理由に現在は小天体扱いされている。太陽系を扱った楽曲にホルストの『惑星』という組曲(平原綾香氏のアレンジで『木星』がポップスになっている)があるが、冥王星の発見時に他の作曲家がひとつ付け加えた版とホルストが作った現在の太陽系と一致する版がある。 太陽は直径約70万キロメートルの天体で、そのエネルギーの源は中心核付近および外縁で行われる核融合反応だと言われている。意外なことに密度は地球の方が大きい(水に比べて地球は5.5倍の重さ、太陽はその4分の1程度)と言われている。実際には不可能なことであるが、理論上は同じ体積の太陽と地球を切り取って秤に乗せると地球の方に傾くという事だ。これは太陽標準モデルという計算式によってはじき出されたもので、実測値ではない。また、太陽の年齢は御年46億歳。天体としては青年と言ったところだ(大長老である宇宙が137億歳ぐらいだと言われているため)太陽が老化すると、密度が徐々に薄くなって膨張し、水星をはじめ周囲の天体を飲み込んで融解させていくと言われているが、短命な私達ヒトはそれを見ることは不可能である。

太陽がもたらす恩恵

私達が住まう地球ほど生命をはぐくむゆりかごに相応しい天体は今のところ見つかっていないと言われている。水と生命が呼吸に使っても害のないむしろ生命維持に有益な大気、海や陸など、居住するのに相応しい環境、何よりも寒すぎず熱すぎない丁度いい気候。どれをとっても1級品である。砂漠やツンドラ等人から見ると酷寒、酷暑の劣悪な環境だと言われる地点はいくつかあるが、そこに到達して知覚できるという時点で私たちは恵まれた環境にあるのである。 私達は光や熱と言った太陽の恩恵を過不足なく受けられる位置にいる。水星のように太陽に近すぎては太陽風と気温の上昇が酷くて生きていけない。水星の表面温度の平均は179度だとも言われるので水が液体の形で存在できない。海王星のように太陽から遠すぎても光が届かず昏く寒すぎて暮らしていけない。天王星と同じく海王星には水が存在するが平均マイナス219度と言われる気温のためやはり液体の形は保てない。天体写真などで見ることのできるこの惑星の美しい青はイオン水と呼ばれる水でできた氷が表面を覆っている故である。衛星であるトリトンには氷の火山という何とも矛盾したものが存在しているのでその寒さがうかがえるであろう。 太陽がもたらしてくれるもうひとつの恩恵は重力である。もし太陽の重力がなかったら、地球その他の天体は凝固することができず、単なる星間ガスとして宇宙を漂う羽目になっていただろう。また、急に太陽の重力が無くなったら、太陽系の天体は総て軌道を外れ凄まじいスピードではじき出されてしまう。そうなると私たちの生存どころではなくなってしまうことは自明の理である。

亀などの爬虫類をペットにしている人は彼らが日に当たって甲羅干しをしている光景を見たことがあるだろう。凡そ長いとは言えない手足を懸命に広げて日に当たる面積を大きくしようとしている様は何とも可笑しみがあり、思わず笑ってしまうが彼らは必死である。この行動は自力では体温を維持できない非恒温動物であるが故の習慣である。彼らのお仲間であった恐竜も大規模な隕石落下(火山噴火との説もある)で空中に細かな塵が巻き上げられて太陽光が遮蔽されたために凍死してしまった事が絶滅の原因なのではないかと言われている。最も、増えすぎによる食物不足や哺乳類に卵を食べられてしまったためという説など異説が多くあり原因は定かでないが、熱を失った生命は滅ぶというのが定説である。生存に必要な気温、暖かさを維持してくれるのは太陽からの赤外線による熱である。 恒温動物である私達ヒトも体温が下がれば、昏睡状態になりやがては生命活動が停止してしまう。熱量を表す単位にキロカロリーと呼ばれるものがあるが、1キロカロリーであるが、水1グラムの水温を上げるために必要な熱エネルギー量である。体温を1度上昇させるのに体重1グラムにつき1キロカロリー必要だと仮定すると、もし体温を0度から上げるとすると、45キロの人は36度まで上昇させるのに162万カロリーを摂取しなければならない計算になる。とてもではないが摂食では賄えない。無論、生物学的にはあり得ないことであるし、呼吸や食べるためのエネルギー消費、熱に変えられないエネルギーなどを省いた数値である。そもそも太陽がない状態で食物があるかという問題もあり、逆説的に太陽の必要性を感じさせる試算ではある。

私達は、目という視覚器官をもつ生き物である。この目がその役割を果たすためには自身、見る対象物、そして適度な量の光線が必要になってくる。太陽、電球などの光源から発生し、物体にあたった光線は吸収、もしくは反射され目及び視神経等の感覚器官を伝って脳に到達する。物体表面における吸収の率が高ければ黒に近い濃色になり、低ければ白に近い淡色になる。 光線の種類にはいくつかの種類があるが、大きく分けると目で認識できる可視光線と不可視光線の2種になる。可視光線の色は日本では赤、黄、オレンジ、緑、青、藍色、紫(実際には菫色に近い)の7色だと言われているが、スペクトラムである虹の色を文化的に6色とする国や、濃淡で2色とする国もあるようだ。赤の波長の外にあるのが赤外線、紫の外にあるのが紫外線という不可視光線であり、前者は熱源、後者はシミソバカス、日焼けなど女性の美容の敵として認識されているが、天日干しの干しシイタケや干物の旨味は、この紫外線によってアミノ酸が増幅されるからだと言われる。また、猫などは体毛を紫外線にさらすことでビタミンDを生成し、毛づくろいをして摂取すると言われている。 光線は、物を見たり、干したりするためだけに役に立つのではない。私たちの脳はセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン等の神経伝達物質によって情緒や思考、睡眠などの機能を支配されていると言われているが、その微妙なバランスを保つためには日光が欠かせない。朝、日の光を浴びるだけで体内時計がリセットされ、快適な生活をもたらしてくれると言われている。そういう意味では日の光を追うひまわりと私達にはあまり違いがないのである。

放射線

これは果たして恩恵と書いていいのかという点にいささか疑問があるが、太陽が私たちに与えてくれるもののひとつに放射線がある。レントゲンなど医療機器やブルートパーズなどの色の改変(業界基準で放射性物質が残留する石は出荷されていないので安心していただきたい)等様々な分野で、私達はお世話になっているが、この放射線とはどういうものなのだろうか。 私達の身体は素粒子という最小単位が構築された原子、それが結びついた分子から成り立っていること言う事を義務教育が終了した方ならばご存知かと思う。おさらいになってしまうが、互いに結合し、水や酸素等森羅万象を生み出す物質のことを原子、もしくは元素と呼ぶ。元素は中性子の数が異なる同位体を計数から除いて水素(H)からローレンシウム(Lr)まで103の数があるが、83番のビスマス(Bi)以降の元素は構造が不安定で内部崩壊を起こしやすい放射性同位体しか持たない放射性元素と呼ばれるものである。構造が不安定という事は原子核内部の陽子や中性子の動きが活発でひょんなことで飛び出て行ってしまうという事である。おおざっぱな言い方だが、この飛び出たものを放射線という。放射性物質はその量が半減する周期があり、これを半減期と呼ぶ。 太陽の莫大な熱エネルギーの源は核融合だと別項で記述したが、その際に出た中性子線、陽子線、電子線が放出されるが、多くの場合大気に阻まれて地表には到達しない。しかし、太陽からの放射線の量を測定することは宇宙の起源を知るために有用なことである。また、太陽から出た微粒子が色彩豊かな布帛のように見える現象がオーロラ、極光である。

太陽を観察しよう!

探査機はやぶさの打ち上げ成功を皮切りに、最近、天体や宇宙の成り立ち、宇宙資源等空への関心が高まっているという。金環食や金星の太陽面通過、17番目の素粒子であるヒックス粒子(らしきもの)の実証という宇宙物理もしくは天文学にまつわるイベントが多くなったので、親子で空を見上げる機会が多くなった人も多いのではないか。電気など多くの恩恵を私たちに与えてくれる太陽を観察しながら、一家団欒するというのもなかなかいいコミュニケーションなのではないか。 既に御存知の方も多いだろうが、太陽を観察するときには、直接肉眼で見てはいけない。失明の恐れがあると言われている。専用のグラスやレンズカバーを必ず使用してほしい。よくサングラスならば大丈夫だろうと見上げてしまう人がいると聞くが、これはとても危険な行為なので決してしないこと。見上げるのが不安な人は、写真を取るか、望遠鏡のレンズに専用の器具を被せて紙に映す手法を取ればよい。太陽黒点の観察は昔からメジャーだが、自由課題などにはうってつけで皆既日食の際などは機材の精度と運が良ければコロナなどを写すことも可能である。 太陽の表面だけではなく、光線を観察することもできる。分光器を使えば、簡単に虹の7色を見ることが可能である。ただし、分光器で観察できるのは可視光線だけである。眼に見えない光線のうち、紫の縁に存在するのが紫外線、赤の縁に存在するのが赤外線という事になる。分光器がなくとも、工夫をすれば水晶やガラスの置物でもこの虹を観察できるが、黒い紙の上などに長時間置くと発熱、発火してしまうので気を付けていただきたい。


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